アルタビジョン その１

俺。俺。俺。俺。俺。俺。俺は今、東京新宿東口の路上にいる。今は朝の１０時ぐらいや。こんな朝から、なんで、この俺がこんなとこにおるのかというと、あのなあ。もうちょっとしたらな、はじまるからや。一体何が、はじまるのかというとな。新宿アルタの街頭巨大ビジョンでな、俺が、こないだ、リリースしたばかりの詩の朗読の２枚組ＣＤアルバム「詩人三代目魚武濱田成夫［ネイキッド］＋［アンセムズ］」の、［ネイキッド］の方の第１発目の詩である「ほんとの１」のプロモーションビデオの第１回目の上映が、はじまるねん。それで今日から７日間、つまりな、ゴールデンウィーク中ずっとな、ここアルタの街頭巨大ビジョンで１時間に１回、毎時４２分１５秒から流れる。つまり１日に１１回、１週間で７７回流れるねん。というか流す。なぜ流すといったかいうと、俺が金払ろたからや。高額やけどそんなん関係あらへん。これは表現やからな。俺は、したいと思たことはするねん。それで、もうすぐ、その記念すべき第１回目の上映がはじまる。それ見るためにこんな時間から新宿に来とるってわけや。ほんまワクワクするで。もちろん映像にはなＣＤの宣伝告知も一切いれてへん。さっきもいうたように俺は作品として、表現として流したいからな。で、宣伝告知いれへんねんからレコード会社に金だしてもらうわけにもいかんやろ、悪いしな、だから自分で金だして流すことにしたんや。なんで自分で大金払ってまでそんなんすんのかって？理由は４つある。まずひとつめは、うれしいから。ふたつめは俺は路上が好きやから、俺は昔から国内外とわず路上で、ある時は依頼され、ある時は勝手に、いろんなことやってきたやろ、パリのポンピドゥ広場でのパフォーマンスしかり、メトロの中での日本語での詩の朗読しかり、大阪梅田の地下街および心斎橋や難波での俺伝説しかり、ニューヨークのソーホでの３kmにわたる大落書き書しかり、スパニッシュハーレムでの巨大画しかり、福岡シーホーク巨大イルミネーション詩「１俺」しかり、道後谷屋旅館壁面大書「８３俺」しかり。そして俺にとっては街頭巨大ビジョンも大好きな路上の一部。そう！なにも地面に近いとこでだけやるもんが路上表現とは限らんで、少なくともこの俺様にはな。ってことよ。そして、みっつめは、この俺が、すげえ詩つくって、すげえ朗読して、すげえレコーディングして、すげえＣＤつくって、そしてその詩のプロモーションビデオが、すげえビデオやからや。きまっとるがな。ほんま俺は、すごいな。ていうか、まさしく、俺こそがリアル「ほんとの１」やがな。ほんでもって、よっつめが、いたずらきぶん！以上４つの理由で、自分で金払ってまでアルタビジョンで流すねん。なにも不思議ちゃうで。あっ。そんなんいうてる間に、いよいよ第１回目の上映時間が近づいてきたから見に行ってくるわ！じゃあな！